2013年3月。40を前にして何か良い趣味はないかと探していた夫の目に、米長邦雄前将棋連盟会長の追悼記事が止まった。「将棋かぁ…」それが全ての始まりだった。
娘も興味を示し、図書館から将棋の本を借りてきた。慎重な娘は、無邪気に夫に「指そう!」なんて言ったりしない。初心者向けの入門書を読み込み、勝つめどが立つまでは一切指そうとしなかった。それでも夫は、自分がやろうとしていることに娘も同じように興味を持ち、まんざらでもなさそうだった。
さて、娘は一人っ子である。夫と娘が将棋を始めたのに、私が将棋を知らなかったら、置いてきぼりにされてしまう。私は、慌てて二人の後を追いかけた。
(第26回社団戦 ねこまどチームHPより)
社団戦初参加のシーズンは0勝で終わった。2期目の目標は「1勝」、そして今年、3期目の目標は「2勝」。
今期の1勝目は、棋譜を取ってもらっていた対局だったので、自戦記「亀の歩みは」を書くことができた。
2勝目を挙げたのは、10月の個人戦の日。
この日、会場に貼られていた座席表で私の前に書かれていた名前は「大野聡」。先述の自戦記内にも登場している彼は、ねこまど1期生でもある。
当時、チームで行った練習対局の成績は1勝1敗。全くの5分。
お互いに、表面では世間話をしつつ内心では静かに闘志を燃やして、対局開始を待つこと数十分。そこへ、「同じチームの人いる?じゃあ、そこ代わって。」という運営の人の声。そして、大野さんは隣の組へと移って行った…。
しかし、何の因果か、私達が弱すぎるのか、3戦を終え全敗同士の席に座ったのは、私と大野さんだった。
結局、時を経て対局する運命だったのだろう。
そして貴重な貴重な2勝目を挙げることができた。
こうして、3期目も無事目標を達成して終えることができた。
来期の目標は「3勝」。少しずつでもゆっくりと、亀の歩みを続けていこう。
(蛇足ながら、記録上の私の勝ち数は6。そのうち2勝は上記の通り、2勝は不戦勝、残りの2勝は相手の時間切れ。同じ日に2局続けての時間切れ勝ちだったから、催眠術でも使っているのかとチームの人に笑われた。)
さて、娘のあやと一緒にねこまどチームの一員となり、早3年。
今期限りで、あやはねこまどを卒業することになりました。
他のメンバーは出場機会を均等にしている中、あやはフル参戦。しかも、強い相手を求めて全て大将席。貴重な勉強の場を与えていただき、本当に感謝しています。
これからプロを目指していく中で、必然と”勝ち”が求められ、”楽しい”だけでは将棋を指せなくなる日がやがて来るでしょう。そんな時に、ねこまどチームの一員として過ごした日々が、あやの支えとなって背中を押す力となってくれますように。
あやと対局したことがあるという方達や、応援してくださる方々、色々な場で声をかけていただいています。本当にありがとうございます。
どうぞこれからも、一緒にあやの成長を見守っていてください。
皆様への感謝の気持ちをこめて
内山 優子
Comentarios