第26回(2016)から参加し、第27回(2017)、第28回(2017)、そして、第29回(2018)を迎えた。
将棋界は藤井聡太という綺羅星が現れ、8つのタイトルを8人のタイトルホルダーが分け合うという年となっていた。
自分の将棋はというと、級位者からは抜け出したかもしれないが、序盤の粗さと終盤の精度に課題を残している。昨シーズンは1年を通して振り飛車だけで戦い、新たな感覚を身に着け、今シーズンは全戦型対応のオールラウンダーを目指して将棋を指した。少しずつでも前進しなければならない。油断しているとあっという間に落ちてしまう。
自分の将棋の課題は把握しているが、全てを解決するための膨大な時間や学習を素早く吸収する能力がある訳ではない。ということで今年はトレーニングの一環で連珠を取り入れてみた。
連珠は、いわゆる「五目ならべ」で白と黒の石を置いて5つ並んだら勝ちという古来からあるゲームである。それが将棋に役立つって?
それは何故か?
1.詰みの感覚が養われる 連珠は5を並べて勝ちなので、両端が止まっていない4を作れば勝ちでもある。
では、片方が止まった4と、何も止まっていない3が同時に作れたらどうなるだろうか?5を作られないように4をもう片方の端を止めつつ、3のどちらかの端を同時に止めることができるだろうか?このように石を連鎖させて詰み形を作っていくのが連珠の醍醐味である。有名なのは「四追い(しおい)」で、4を作って相手に止めさせてを繰り返していき、最後に詰み形を作るというものだ。単純に石を並べるだけではあるが、縦横斜めの関係性を頭の中で考えるのは、将棋の感覚と同じ。詰将棋に気が向かない時でも、連珠(五目クエスト)でゲームをすれば感覚が養われる。
2.ナナメを見落としやすい
五目クエストでの対戦では、ほぼ同じレーティングの相手と対戦する。私は級位者レベルなので相手も級位者。そうすると、なかなかお互いに詰み形を作れないまま進み、大抵は相手のミスで勝つ(自分のミスで負ける)ことになる。その時に多いのがナナメの見落としである。これは将棋における「角の利き」に該当する。ナナメの利きに気を付ける習慣を付けるのに連珠は適している。
3.浦月(ほげつ)は角換わり?
連珠には珠形という序盤の形がある。この中でナナメの並びが直ぐに表れる形の一つが浦月で、その先の進行が将棋の角換わりに何となく似ている。ナナメを軸にとにかく攻めていくという点や、攻守入れ替わるタイミングが「危険だけれど一手手抜く」というところに角換わりとの共通項を感じることが多い。
4.直ぐに終盤を迎える
連珠は20手~50手ぐらいで勝負がつく。5手目から「詰めろ」が発生するから、ゲームが始まったら直ぐに集中しなければならない。パッと集中モードに切り替える脳の訓練にもなる。将棋はどうしても知ってる序盤はダラダラ指して流れのまま集中できないまま終わることもある。連珠はそれが無理。短時間に集中し、その代わり直ぐに終わる。
将棋でよくあるのが、「詰みがあるよ」と言われると詰みが発見できるが、実戦の中では詰みが見つけられないということである。連珠をやっていると、なんとなく詰みセンサーが養われるような気がする。あと、連珠をやったから将棋の棋力が落ちるという事は無い。もちろん、全く将棋を指さなければ忘れてしまうのだけれども、まあ、そんなことは無い訳だし。気分転換にもなる。
次は囲碁かなと思っている。連珠もまだまだなのではあるけれど、新しい思考法を身に着けたいと思っている。ということで未だに全く理解できない囲碁への挑戦が次のステップ。そうして何とか将棋三段への手掛かりをつかみたい。なんかアプローチ方法が違うかもしれないが、アマチュアなので何でもアリだろう。
さて、今期は7部で6勝3敗。
3敗のうち2つは勝てたと思える。もっと棋力をつけて勝ち切れるようになりたい。
そんな思いを忘れないように、今期は最終日に販売ブースで将棋盤を購入した。1.5寸の榧盤で、木目が奇麗だし、まだ木の香りがする。この盤を使って、じっくりと棋譜並べをするのが楽しみである。
(クボタ / @totheworold)
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