2018年12月8日、チームとして今シーズンを総括し、第29回社会人団体リーグ戦での活動が終わりました。
社団戦であるからして、開幕すると月一回程度は必ず将棋を指すことになります。
そして、団体戦ということもあって、いくばくかの責任感を背負って指すことになるわけでして、それがゆえに、試合と試合の合間も将棋に触れる習慣を持ち続けようという気持ちを高めやすくなります。
これを荷が重いと思うか、意識の支えになると思うかは人それぞれでしょうが、自分の場合は後者になりました。
昨シーズン終了後からのオフシーズン。
今シーズンも参戦することにしたものの、7部ができるのかできないのか、ねこまどは6部なのか7部なのかがはっきりしないまま過ごした期間でした。
そして、自分は春先から職場で非常に重いタスクを任され、気を配るべきメンバーは倍増し、高いプレッシャーにさらされることになっていました。
繁忙を極める、という表現を超えて忙殺。連日のタクシー帰りと睡眠不足で文字通り忙殺に至りそうな精神状態となり、駒を持つどころか胸が痛んで酒杯も持てない状態に。
飲む将としても降格(?)の危機に晒されました。
今シーズンからできた7部。
ねこまどは2チームとも新設された7部に属することに……つまり、6部から降格の憂き目にあったわけです。
しかし、できあがった順位表によれば、半分は6部から切り落とされたチームでできており、純粋に7部というより6.5部とでも言った感じに見えました。
残り半分の新規チームや復帰チームの戦力はサッパリ見当もつかず、スプラトゥーンのC帯のような玉石混交の混沌を予感させる開幕前でした。
さて、ねこまど将棋教室には「ねこまど研」という会があります。
客同士が指す場として「ねこまど級位者大会」に並ぶものですが、「ねこまど研」の方は30分30秒で3局指すというルールになっており、この持ち時間が社団戦の練習にピッタリな理由の一つであります。
したがって、ここでの成績と内容が良ければ、気分良く社団戦に臨めるわけです。
しかし、日々の棋譜並べや詰将棋から実際に対局して、また棋書に戻るという将棋生活のサイクルは前述の通り、完全に瓦解。
当然ながら、開幕直前の「ねこまど研」で3連敗。気分はまるで乗ってきません。
棋力・体力・気力のすべてに自信のない状態で、周囲の相場がわからない状況へ出ていくことになりました。
暑さの増した7月に開幕。1試合目に2将を託してもらい、席につきました。
気持ちの中に「楽しむ」の言葉を浮かべながら、駒を並べました。
3シーズン目ともなれば会場の雰囲気自体には慣れているものの、初参加チームが相手であり、距離感を探るような相四間飛車の出だし。
途中、良くなったと感じ、感じたからには勝ちたくなり、勝ちたいと思うと負けるかもしれない手が選べなくなり、勝機を逃し、踏み込みを欠き、自ら転ぶように敗北。
後日、チームメンバーが集まって棋譜を見てもらった時にも、ああ……という空気が漂ったくらいにはひどいもので、これを負けたら勝てる将棋はないんじゃないか、という定型的表現が浮かびました。
運動不足と寝不足は、思考力や判断力だけでなく決断力も削ぐのです。
チームとしては6-1で勝って喜ばしい雰囲気になったものの、自分の気分は反対に苦いものでした。
2局目はネットで顔を見たことのあるベテランの方で、中盤の入口あたりで考えることを放棄したような手を指してしまい、連敗。
3局目は昨年に個人戦で負かされた方と同じチームにあたり、比較的経験のある対抗形持久戦になったこともあり、勝たせてもらいました(詰みは見えてなかったけど投了してくれました…)。
2日目以降、暑さが進み、チームは勝ち進んでいくのに、自分の将棋生活は立て直せないまま。
昇級争いの雰囲気の中、自分の初戦の負けで勝ち星が不足…なんて展開になったらイヤだなあなどと思っていました。
転職を脳裏にちらつかせつつ、個人としての成績は借金を返せず、それでも社団戦の日程を軸にできたことでどうにか将棋に触れる習慣を維持していました。
9月末、個人戦後の打ち上げ。
チームは最終戦を前に、昇級に向けた星勘定ができる状況にあり、前向きな空気が漂っていました。
もはや、自分の成績よりもチームの成績だけが楽しみで、ここまできたら昇級しちゃってほしいという気持ちでした。
結果として、ねこまどチームは4位に滑り込むように昇級。ほっとしました。
でも、チームの好成績に貢献した手応えが自分にはなく、歓喜の輪に入り込み損なった感触が残っています。
チーム内での総括では、0-7負けがなかったことを良かったこととしていましたが、一方で7-0勝ちを作れなかったのは初日1局目の負けが響いたがゆえと思っています。
将棋としては、昨年一昨年とあれだけ出現した右四間飛車に一回も遭遇せず、見たことのない形に持ち込まれることも再三でした。
7部といっても中身はやはり侮れず、社団戦には様々な参加者がいることをあらためて感じさせられました。
将棋の内容ではサッパリなままなシーズンでしたが、社団戦開催日に皆勤できたことだけは、チームへ貢献できた今期のささやかな実績でした。
また、自分の棋力を伸ばせた感覚も残りませんでしたが、最終戦終了後の11月に将棋ウォーズで昇級したのが、僅かな足跡になりました。
オフシーズンも「ねこまど級位者大会」と「ねこまど研」で実戦を重ねながら、来期につなげたいと思います。
2018年もあっという間でした。
チームがあって、チームメンバーがいてくれたから走り続けられたシーズンでした。
対局してくれた方や運営の方々、関係のみなさますべてに感謝しています。今シーズンもありがとうございました。
(かとう)
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